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2000年夏の旅(12)サンクトペテルブルグ~ヘルシンキ [2000夏ロシア・ヴォルガの船旅]

7/15(土) サンクトペテルブルグ1235発  ヘルシンキ着1230

ヘルシンキ/ホテル カンプ1泊

 船旅の航行距離は合計で1805キロでした。美しい水の都サンクトペテルブルグに別れを告げて、ヘルシンキに飛びました。ヘルシンキの空港からはツアーから離れ、独り旅です。同じくヘルシンキからフィンランドを回られるBさんご夫妻とは同じホテルでしたので、一緒にタクシーでホテルに向かいました。

ホテルは5☆で通常の部屋代はかなり高いのですが、夏休みに入りビジネス客も少ないのでしょう。お手頃価格で泊まることができました。

↓ホテル・カンプの部屋

Hカンプ1.jpg

Bさんたちと夕食はご一緒しましょうと約束して、それまではアテネウム美術館の見学をすることにしました。遅いランチは途中で見つけたカフェでサーモンサンド。スモークサーモンはさすが北欧ですが、好みからいうとやはり北海道のほうが美味しいと思いました。美術館への道で猫使いの小さな女の子たちの路上パフォーマンスがありました。3,6,10歳くらいのすごくかわいい姉妹が猫たちを使って輪の中をくぐらせたり高い棒を歩かせたりするのですが、猫がなかなか従いません。特に一番小さい子を馬鹿にして、ひっかいたので痛い!と泣きべそ。娘を育てた身としてもいたたまれない気持ち。両親は何処?って探してみたのですが、わかりません。ああ、それよりもこの子たち美少女を観る男たちのなかには好奇な視線を送る人もいて・・・。暗鬱な気分になってそそくさとその場を離れました。

ホテルからは500mくらいのヘルシンキ中央駅の前に建つアテネウム美術館に着きました。クラッシクで豪壮な館風の建物です。正面の重いガラス扉を開けて中に入りました。

アテネウム美術館

ヘルシンキ アテネイムM.jpg

すると、思いがけず明るい近代的な内部になっています。ここではジンベリの「傷ついた天使」を観るのが大きな目的だったのですが・・・。タンペリという町でジンベリの展覧会を開催中で、そちらに貸し出されたとのことでした。係りの方は列車で2時間だから行ってらっしゃいと勧めてくれたのですが、翌日はサヴォンリンナまで行く予定でしたから、時間の余裕はまったくありません。無理でした(涙)。

↓ ヒューゴ・ ジンべリ「傷ついた天使」(1903年)  127×154 

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↓ ジンベリの風景画などは鑑賞できました。

シンべリ2.png シンべリ3.png シンべリ4.png

フィンランドの象徴派ジンべリの「傷ついた天使」は一度観たら忘れることができない印象深い作品です。世紀末の美術の本で初めて知ったのはいつのことだったでしょうか・・・観ること叶わず本当に残念でした。

帰国してから、彼の作品が版画を含めて18点札幌に来ていたことが判明。私は観ていませんでした。でもカタログはまだ芸術の森美術館で販売されていましたので、他の展覧会に行ったついでに購入できました。

「フィンランド 心の風景 landscape of Finnish Soul」1998年5月16日~6月24日
副題はムーミン谷の冒険ですからムーミンの原画が売りだった展覧会だったのでしょう。

ジンベリがガレン=カレラの影響を受けたことは有名ですが、師の画風をそのまま踏襲したわけではなくフィンランドの中世美術はもとより、ベックリンや同じ北欧のムンクからの「死」のテーマを見つめ、印象的な作品を残しました。半ば憂鬱であり、半ば陽気な気質が彼の作品に観られるのは興味深いことです

この美術館のもうひとつの宝はガレン=カレラの「THE AINO MYTH」と呼ばれる3翼の絵画です。この地方のカレヴァラ伝説を主題に描かれています。まさに森と湖の国の伝説に相応しい作品です。

カレラ.png


また、同時期にフィンランドの天地創造の詩「カレヴァラ」はシベリウスによって、組曲「レンミンカイネン 4つのカレワラ伝説」として作曲されました。

カレヴァラ伝説とは・・・フィンランド人の魂そのものです。森の精・水の精などの自然神を信仰し、自然界のあらゆる現象を神の霊の実現と信じて、口承により長い間伝えられてきました。狩猟の神タピオ、冬と氷の精ヨウカハイネン、太陽の輝きを表すポホヨラの乙女、大気の精イルマリネンらが登場します。19世紀になって研究、解釈の末「カレワラ」(1835.1849)として出版されました。

二人の偉大な芸術家によって、キリスト教が紹介される前の古代フィンランドの文化が消滅する前に新しい視覚と聴覚の輝かしい芸術で示されたことは、フィンランド人の誇りとなっています。

他にも印象に残った作品がいくつかありました。

↓フィンランドの女流画家HELENE SCHJERFBECK「Toipilas」

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 美術鑑賞を終えて、港へ。夕方までまだ時間があります。沖の島に遊覧船が出ているのを聞いて乗り込み、計画外でしたが島ごと世界遺産になっているスオメンリンナ要塞へ。ロシアもですが、写真の保存に失敗したものがいくつかあり、ここスオメンリンナのは全滅(涙)珍しいところを訪問しましたのに・・・。

スオメンリンナ要塞  

 1700年、バルト海支配を巡ってロシアとスウェーデンの間に戦争が勃発。当時スウェーデンの統治されていたフィンランドは一部を1721年の講和条約によってロシアに割譲されました。1772年スウェーデンはヘルシンキのこの小島にロシアへの備えとして城壁を築きました。1809年にはロシア軍によって占領されました。フィンランドが独立したのは1917年のことでした。以後この要塞もスオメンリンナ(武装解除の意)と命名され、現在は文化センターになっています。

自分の印象に残った風景に近い写真をネット上にみつけましたので、画像を拝借しました。

↓ 遊覧船はヘルシンキの港から2kの洋上に浮かぶ小島へ。

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↓ フィンランドが辿った苦難の歴史を思いながら歩きました。今は平和で穏やかなフィンランドです。

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↓ スオメンリンナの周囲は下のような家のある極小さな島が点在しています。

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ヘルシンキに戻りBさんご夫妻と近くの中華料理のレストランへ。明日はもうお別れです。私はフィンランドの東へ。Bさんたちは北のキュミ地方の赤レンガの建築(世界遺産)を見に行かれます。美術や建築のお話で食事の時間もあっという間に終わりました。

ホテルに戻るころようやく暗くなってきました。バスルームの緑のアヒルのおもちゃを浮かべて、久しぶりのお風呂でした。

Hカンプ3.jpg



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